しくみデザインは2018年3月のリニューアルオープンに合わせて拡充された福岡県青少年科学館(福岡県久留米市)の「宇宙コーナー」の展示物を担当しました。
宇宙の謎を解き明かすために、さまざまな探査機が宇宙を旅しています。小惑星イトカワを目指した探査機「はやぶさ」は大きな話題を呼びました。探査機が遠い宇宙の目的地を目指すには、天体の引力を利用して加速、軌道変更を行う「スイングバイ」と呼ばれる航法が用いられます。ただ「重力を使って加速する」と一言で言われてもなかなか理解が難しいですよね。
天体の重力を解説する展示物は多くの科学館に設置されていますが、その多くは2つのじょうごのようなくぼみがあるテーブルにボールを転がして、その運動を観察させるものがほとんどでした。ただこの形式の展示はボールをくぼみに入れるゲームとなってしまい、ねらいとは違った利用をされてしまうことが多いようです。そこでしくみデザインが得意とするインタラクション技術を使ってスイングバイを理解できるような展示を制作しました。
参加者はプロジェクターで投影された宇宙空間にある小惑星へ探査機を到達させるというミッションを与えられます。参加者はそれぞれ自由に自分の探査機をデザイン。完成したら角度や勢いを指定して宇宙空間に発射します。
宇宙空間には惑星が軌道を回っており、その中を探査機が進んでいきます。探査機はその軌道や飛び出した速度に合わせて惑星の重力の影響を受けます。小惑星に到達したらミッションクリア。経路や速度に合わせてポイントが表示されます。ポイントはランキング形式で展示物に掲載されます。
高得点をめざしながら小惑星に到達するにはスイングバイを上手に利用する必要があります。もっと高得点をとるにはどうすればいいか、参加者はどんな軌道やスピードで探査機を飛ばせばよいのかを試行錯誤することを通してスイングバイについて考えることができる展示になりました。
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